東京地方裁判所 昭和40年(ワ)8937号 判決
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〔判決理由〕被告は本件手形は裏書の連続を欠くから原告は正当の所持人でないと抗争するが、その趣旨とするところは、前所持人より新たな裏書をせず、また裏書の抹消もしないで手形の返還を受けたとしてもこれにより手形上の権利を取得しうるものでないから、原告は正当な所持人とはいえないと主張するにあると解される。しかし、手形上の権利が裏書により一旦その後者に移転された場合、その後裏書人がその後者から当該手形の返還を受けるときは、その間の裏書を抹消すると否とにかかわらず裏書人は再びさきの権利を取得するものと解するのが相当である。(最高裁判所昭和三一年二月七日判決民集一〇巻二七頁参照)従つて原告は前記一、において認定した事実関係に基づき現に右手形の実質上の権利者であると認めるを妨げない。 (藤野博雄)